Iteke and Tjitske Hemkes

レジデンス後のコメント 〜 Iteke and Tjitske Hemkesより

レジデンス後のコメント 〜 Iteke and Tjitske Hemkesより

KYOTO MACHIYA AIR 2015(京町家AIR2015)の滞在アーティストIteke and Tjitske Hemkesから本レジデンス後にメッセージが届いています。アーティストとしてオランダで活動する姉妹は、今回の滞在で何に触発され、それを自らの表現へと紡いでいったのか。どうぞご覧ください。 (なお、京町家AIR2015活動記録集には紙面の都合上、以下の本文より抜粋したものを掲載しています。) このアーティスト・イン・レジデンス・プログラムの始まりに私達は様々な目的を頭にしました。日本の豊かな文化に多くのインスピレーションを受けながら、今回のレジデンスは私達の姉妹としてのコラボレーションを発掘する貴重な機会になりました。この期間に、私達はもっと自由で気楽な制作プロセスを追及していきたいと考えました。 たが、私達の最も大切なインスピレーションの源は町家に暮らしていて、町家で働いている体験でした。このように、私達は日本の文化をもっと深く、もっと本格的に経験できました。日本に行く多くの外国人は日本文化の表面だけにしか触れることができないので、このような本格的な経験ができて光栄でした。 一週間、日本を旅行してから、私達は京都で多くのインスピレーションを得ました。町でもインスピレーションを得ましたが、町家に住むことによっても大きなインパクトを受けました。町家は日本を小さく表現する家のようでした。 町家は不思議なコントラストを沢山含んでいます。町家は手作りの材料から作られましたが、町家の中にも電子化された日本語での音声が出る電子パネルも設置されています。他のコントラストは建物の美しさと建物の暗さでした。窓が多いですが、いつも障子がついていますので、部屋は暗くて重いです。これは私達が慣れているオランダの家の逆です。電気の照明がありますが、それは非常にまぶしくて、伝統的な家の雰囲気に反します。町家の照明を変えるのは難しく、フィルターで照明を暗くしようともしました。 他のオランダの家と異なるところの一つは家具があまりなくて、特に床で時間を過ごすこと。靴をぬいで床を歩いたら、自分の動きと町家の細かいところを意識しました。私達の町家への意識がもっと敏感になって、私達と町家の関係が深まって、本当に生きている家のようでした。 町家は自然の空気循環があるので、呼吸しているようでした。家の伝統的な要素を見て、私達はその長い歴史やそれを含んだ物語を意識しました。私達は織物の産業が盛んな西陣地区に滞在することができて、とてもラッキーでした。そこで、私達は染織を専門とする町家での小さい会社に訪問することができ、絞り染め、柿渋染め、藍染等の伝統的な技法を紹介して頂きました。 他に大切になるインスピレーションの一つは詫び寂びという美意識でした。私達の制作プロセスに対して違う態度をとりたいという意図に合っていると考えました。 特に、不完全さを受け入れることや日本の禅宗にある価値感に惹かれました。 そして、日本の伝統的な茶道にも魅力を感じました。狭い入り口を通り小さな部屋に入ることは幻想的な体験でした。部屋の中にいることは母胎にいるような安らぎある体験でした。「今」と「ここ」だけの経験になる時間と空間といった概念から離れた場所でした。その中で、どんな動きもルールに従って行われました。理解できなかった文化と言語のある国にいて、自分達がコントロールできなかったことが沢山あると感じましたが、逆にこの自分達がコントロールできなかったことを許容することで、安堵のような気持ちを感じていました。 私達の制作のプロセスでコントロールを解き放ったら、作品はどうなるのか知りたくなりました。そこで、私達は紙を見ないで、お互いの顔を描くという実験を始めました。それから、私達はこの実験を3次元で試みて、目隠しをしながら、茶器組を制作しました。私達はこの半分無意識な世界で生まれた形に感激しました。 私達はこのプロセスを「Let Go, Get Lo」という実験的なワークショップとして企画し、上京区の住民や一般の方々にも参加してもらいました。そして、そのワークショップで出来上がった作品を「Space out of space」というインストレーションと「Ghost machiya」という映像作品といった私達の他の作品と共にANEWAL Galleryで展示しました。 Iteke and Tjitske Hemkes At the start of this residency we had several goals in mind. Besides getting inspired by Japans rich cultural climate, we saw this residency as the perfect opportunity to explore our strong sister-bond in a artistic collaboration. During this period we where also aiming to develop a more spontanious and care-free approach to our work process. But our most essential source of inspiration was the fact that we lived…

レクチャーin東京『オランダ作家3人を囲んで~日蘭交流AIRトークの会』

レクチャーin東京『オランダ作家3人を囲んで~日蘭交流AIRトークの会』

3ヶ月におよぶ滞在と成果発表展を終えたばかりのレジデンスアーティスト3名が、現在の心境を語るレクチャーを東京で開催します。今回の京町家での生活やアート活動について語り、ざっくばらんに海鮮鍋を食べながらゆるやかな交流をします。 日時|12月9日(水)19時~22時 ※途中退出も可 定員|20名 (ご希望の方は事前に予約をお願いします。当日まで受け付けます) 入場料|1000円(Food付き。海鮮鍋を食べながら)、アルコール別途(250円~) トーク|Iteke&Tjitske Hemkes,Jikke Van Loon(いずれも京町家AIR2015招聘作家) 言語|英語(日本語の逐次通訳付き) 場所|Creative Hub131の3階(社員食堂) 東京都中央区日本橋大伝馬町1 3-1-3F 主催|Art Autonomy Network[AAN]+ANEWAL   <アクセス> 〒103 0011 東京都中央区日本橋大伝馬町1 3-1-3F Creative Hub131 最寄駅:営団日比谷線小伝馬町駅から徒歩3 分 J R 総武線快速馬喰町から徒歩4 分/ 地下鉄都営浅草線東日本橋駅から徒歩5 分 都営新宿線馬喰横山駅から徒歩4 分/ MAP http://1x3x1.jp/ (アクセス欄をご覧ください) <問合せ先> 特定非営利活動法人Art Autonomy Network[AAN] 〒103-0011東京都中央区日本橋大伝馬町13-1-2階“Creative Hub131”内 E-mail: info@a-a-n.org, URL: http://www.a-a-n.org   「京町家アーティスト・イン・レジデンス2015」 招聘作家:ジッケ・ファン・ローン、イテケとチツケヘムケス(計3) アーティスト滞在期間:9/25~12/16 成果発表展:12/4~6 レジデンス:ANEWAL Gallery、米田邸   共催: 日本カルチャーセンター・アムステルダム(‘t Japan Cultureel Centrum) 公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター 特定非営利活動法人ANEWAL Gallery 後援:オランダ王国大使館、在大阪・神戸オランダ総領事館

【KYOTO MACHIYA AIR2015 成果発表展&アーティスト・トークの開催】

【KYOTO MACHIYA AIR2015 成果発表展&アーティスト・トークの開催】

成果発表展&アーティスト・トークの開催について 9月からスタートした京町家AIR15のプログラムも残すところあと僅かとなりました。12月4日~6日にかけて滞在アーティスト3名による成果発表展とアーティストトークを開催します。3ヶ月に及ぶ京都でのレジデンスを経て、アーティストが何を感じ、そこからどういった作品を生み出したのか、どうぞお見逃しなく! <成果発表展> 会期:12月4日(金)~6日(日) 11:00~19:00 展示作家:Iteke&Tjitske Hemkes,Jikke Van Loon 会場:ANEWAL Gallery(京都市上京区実相院町156) 
アーティスト・トーク:12月5日(土) 14:00~17:00 ・5日のタイムスケジュール 14:00 ごあいさつ 14:10~14:50 アーティストトーク (休憩) 15:00~15:40 アーティストトーク 15:40~16:00 質疑応答 16:00~17:00 フリートーク 【共催】 日本カルチャーセンター・アムステルダム(‘t Japan Cultureel Centrum)
公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター 特定非営利活動法人 ANEWAL Gallery 【後援】 オランダ王国大使館、在大阪・神戸オランダ総領事館 Now that Kyoto Machiya AIR 2015 that has started in September will almost come to an end, the three participating artists are working hard towards their final exhibitions, that will be held from 4 until 6 December. In ANEWAL Gallery, also one of the residences of this program, meetings with the artists are being held almost daily. Here is being discussed on how all the ideas of these artists could take shape…

【トークセッションとワークショップの開催】

【トークセッションとワークショップの開催】

【トークセッションとワークショップの開催】 京町家AIR15のアーティスト3名が京都の元西陣小学校を会場にトークセッションやワークショップを行います。京都での滞在期間も半分を過ぎ、12月の成果展へ向けそれぞれが作品の創作に取りかかっている時期で、初めての発表の場となります。この2ヶ月、彼女達が手探りで何に出会い、そこから何を感じたのか。アーティストの現在を知る貴重な機会に、是非たくさんの方にお越しいただきたいです。 上京OPEN WEEK「アートを育む場」 上京区を拠点に活動しているアーティストを中心となり、アートに親しむワークショップやパフォーマンスを開催します。また町家で展示経験のある外国人アーティストによるトークセッションも開催。 □トークセッション「外国人アーティストの町家への視線」 町家で展示、パフォーマンス経験のある外国人アーティストと現在京町家アーティスト・イン・レジデンスで上京区の町家に滞在中のオランダ人アーティストによる町家に関するトークセッション。異文化から見た町家を語って戴く事で、町家の新たな魅力を発見します。 時間:13:00~13:50 ゲスト:Leo Pellegatta(写真家), Samuel Andre(サウンドアーティスト),Iteke & Tjitske Hemkes, Jikke Van Loon 料金:無料 ※日本語通訳あり □アートワークショップ「Let Go,Get Lo」 オランダのアーティスト姉妹、イティケとチツケヘムクスは常にアートとデザインの境界線を超えたところに挑んでいます。だからこそ上京オープンウィーク期間中に行われるワークショップは通常のイベントではなく、実験的で体験的なものでもあるのです。 時間:14:00~15:00 講師:Iteke & Tjitske Hemkes 料金:無料 ○イベント詳細・お申し込みは公式WEBページにて http://kyoto-machisen.jp/kamigyo2015/openweek2015/ [About the talk session and workshop] The three participating artists of Kyoto machiya AIR will hold a talk session and workshop in the Nishijin Elementary School in Kyoto. Now that the first half of their residency has already passed and each of them are working towards their final exhibition in December, this will be the first opportunity for them to present their works. What may they have found…

【KYOTO MACHIYA ARTIST IN RESIDENCE 2015 RELEASE vol.3】 Kyoto Machiya AIR 2015参加作家

【KYOTO MACHIYA ARTIST IN RESIDENCE 2015 RELEASE vol.3】 Kyoto Machiya AIR 2015参加作家

Iteke and Tjitske Hemkes (イテケとチツケ・ヘムケス) イテケ(1984)とチツケ・ヘムケス(1980)はアーティストの姉妹。 妹のイテケはハーグ王立芸術アカデミーでファッションとテキスタイル、グラフィックデザイン、二つの学士課程を卒業。現在はイラスト、映像やパフォーマンスといった分野で活躍している。姉のチツケはアイントホーヴェンのデザイン・アカデミーを卒業し、現在アムステルダムでフリーランスデザイナーとして映像やファッション、パフォーマンスから商品デザインにいたるまで、アートとデザインの境界にある作品を制作している。 <Iteke> itekehemkes.com <Tjitske> tjitskehemkes.com The sisters Iteke (1984) and Tjitske Hemkes (1980) were born into an artistic family. Iteke got her bachelor degree in Fashion & Textiles and Graphic Design at the Royal Academy of Art in The Hague. Currently she works in the areas of illustration, film and performance. Tjitske graduated at the Design Academy in Eindhoven and now works as a freelance designer in Amsterdam. Her work can be described as falling in between art and design, ranging from video, fashion, performance and product design. * 京町家アーティスト・イン・レジデンス2015での京都滞在にむけて、イテケとチツケの2人から意気込みをこめたメッセージが届いています。 A message by Iteke…