Tea Tasting and Hike in Wazuka

Tea Tasting and Hike in Wazuka

アーティストとともに宇治茶の一大生産地である和束町を訪れました。目的は三つ。まず、京都市内とは全く違う日本の景観、暮らしを見ることで、改めて新鮮な気持ちで都市部での生活に触れてもらうこと。また、おぶぶ茶苑:Obubu Tea Farmというベンチャー茶農家で働く、世界各国から訪れたインターンに会ってもらうこと。そして、もちろん茶の味、文化を直に感じてもらうこと。しかし、もしかすると一番の理由は、慣れない生活環境での調査で疲れ果てたアーティストに、少し考える時間を持ってもらうことだったのかもしれません。

まずは、おぶぶ茶苑のオフィスで広報担当のシモナさんからお茶について学びました。おいしいお茶を淹れるには茶葉とお湯の比率、お湯の温度、そして待ち時間、この三つのバランスによってお茶の味は決まるのだそうです。こうやって専門家の方からお話を伺うと、いつも普段は意識することのない、日常の科学が見えてきます。個人的な興味ですが、シモナさんがお茶を注ぐときのフォームには機械的な美しさを感じてなりません。

おぶぶ茶苑では、アメリカ、ドイツ、フランス、モロッコ、リトアニアという計5カ国から日本茶を学びに訪れたインターン(うち正社員1名)が、茶畑を案内してくれました。それぞれがどのような背景を持って、今ここに来ているのかというストーリーをシェアすることで、京都、奈良、滋賀の県境にある小さな茶の町が、世界の若者にとってどのように映っているのか垣間見ることができたように思います。最も印象的だったのは、モロッコから来たインターンの男性が話していた高齢化に対する懸念でした。「モロッコではこんなお年寄りに重労働はさせない、こういうのは若い世代が普通やるもんだよ。」また、町家研究を行うイシャさんも、同様に高齢化について触れています。「町家の現状と似ているものがある。」おじいちゃんと農作業、私たちには比較的当たり前の組み合わせでも、彼の視点から見てみると、それがとても非常識に感じられました。「常識を非常識に変えること」これも一つの京町家AIRの役割かもしれません。

協力: おぶぶ茶苑 シモナさんとインターンの皆さん(http://obubutea.com/) ありがとう!